「もっと貯金を増やしてから楽しもう。」
「老後が心配だから、今は我慢しよう。」
そんな考え方が当たり前だと思っていた私の価値観を、大きく変えてくれたのが**『DIE WITH ZERO』**でした。
タイトルだけを見ると少し刺激的ですが、この本が伝えたいのは「お金を使い切って死ぬこと」ではありません。
人生で最も価値があるのは、お金ではなく”経験”である。
そのシンプルなメッセージが、この本の核心です。
サラリーマンほど心に刺さる一冊
日本のサラリーマンは、真面目です。
私自身も大手メーカーで長く働き、「もっと稼ぐ」「もっと貯める」「もっと会社に貢献する」ということを自然と目標にしてきました。
仕事は充実していましたし、その経験が今の自分をつくってくれたことに感謝しています。
一方で、「人生を楽しむこと」は、いつも仕事の後回しになっていました。
旅行は退職してから。
趣味は時間ができてから。
英語の勉強も老後になってから。
そんなふうに、「いつか」を積み重ねていたように思います。
『DIE WITH ZERO』は、その考え方に「本当にそれでいいのか?」と問いかけてきます。
お金は使ってこそ価値がある
本書では、お金は「経験を買うための道具」だと繰り返し語られます。
若い頃にしかできない経験があります。
子どもと一緒に旅行へ行くこと。
海外で異文化に触れること。
体力があるうちに山に登ること。
新しい趣味に挑戦すること。
そのタイミングを逃してしまうと、お金がどれだけあっても取り戻せません。
私はこの考え方に、とても共感しました。
仕事を頑張ることは大切です。
しかし、人生は仕事だけではありません。
経験は思い出となり、その思い出は何度でも人生を豊かにしてくれます。
シニア世代にこそ読んでほしい理由
この本は若い人向けと思われがちですが、私はむしろ定年前後の世代にこそ読んでほしい一冊だと思います。
定年を迎える頃になると、多くの人が十分な貯蓄を持ちながら、「もったいない」と感じてお金を使えなくなります。
その結果、本当にやりたかったことを先送りにしてしまうケースも少なくありません。
もちろん、無計画にお金を使うことを勧める本ではありません。
将来に備えることも大切です。
しかし、「備えること」が目的になり、「人生を楽しむこと」が後回しになってしまっては本末転倒です。
老後資金は、安心のためだけではなく、自分らしい人生を送るためにあるのだと、この本は気づかせてくれます。
私が変わったこと
この本を読んでから、「お金を増やすこと」だけを目標にするのをやめました。
もちろん資産形成は続けていますが、それ以上に「今しかできない経験」を意識するようになりました。
旅行に出かけること。
新しいことを学ぶこと。
家族との時間を大切にすること。
そして、人生をもっと楽しむこと。
こうした経験は、将来の自分への最高の投資だと考えています。
この本はこんな人におすすめ
- 定年が近づき、これからの人生を考え始めた人
- 老後資金はあるのに、お金を使うことに抵抗がある人
- 仕事一筋で頑張ってきた人
- 「これから何を楽しめばいいのか」と考えている人
- 人生後半をより充実させたい人
まとめ
『DIE WITH ZERO』は、お金の本でありながら、実は「人生の時間」について考えさせられる本です。
現役時代は、どうしても仕事や収入が人生の中心になりがちです。しかし、定年後には時間の使い方こそが人生の豊かさを左右します。
この本を読んで以来、私は「どれだけ資産を残せるか」ではなく、「どれだけ充実した経験を積み重ねられるか」を意識するようになりました。
仕事を頑張ってきたからこそ、これからは自分自身の人生を楽しむ番です。
もし、あなたが「まだお金を使うのは早い」「もう少し貯めてから」と考えているなら、一度この本を手に取ってみてください。
きっと、お金との付き合い方だけでなく、これからの生き方そのものを見つめ直すきっかけになるはずです。